2016-05-13

13日は給料日ではないけれど、日付が変わると同時にお金を工面することができた。といっても、春休みの旅行分の引き落としの関係やらで利用していた、キャッシングの枠が復活したというだけの話だ。県西部の玄倉川沿いにある発電所の近くに、鮮やかな青色をした水が見られる場所があるというので、復活したばかりのキャッシング枠を早速利用して行ってみることにした。

バスの時刻表はばっちり確認したつもりだったが、ばっちり夏季のダイヤを見ていたらしく、目的地の最寄り駅である谷峨に到着してから3時間弱の空き時間が生じてしまった。仕方が無いので、20分程前まで居た同バス路線内のJR松田駅まで引き返し、来るときに気になった駅前にある4軒が隣接した喫茶店で時間をつぶすことにした。内2軒は大好きな2階店舗で、どちらにするか迷うところではあったけれど、片方は休業日だったので選ぶ手間が省けた。

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わくわくする入り口。
思ったよりも雰囲気が明るかった。

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焼チーズナポリタン。
ジュウジュウ音がなってる!

ケチャップよりもトマトソース寄りで、このソースがやたら美味しい。波打った形状のおかげで、皿の側面にこびりついたチーズをはがすのが容易いし、満足度は相当高い。このお店ではナポリタン推しの看板を見て飛びついて入ったせいで、興奮してコーヒーを頼むのを忘れた。

次のお店も店先のメニューにナポリタンがあったお店を選んだ。残りの1軒は店名に「CAFE」の文字が入っていたので避けた。

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珍しくケーキを注文してみた。
器が可愛い。

ケーキが美味しかった。尤も、ケーキについてはそれほど食べ慣れていないので、どこで食べても美味しいと感じるとは思う。これは大変幸せな事なので、これからもケーキは特別な食べ物のままにして置こうと思った。コーヒーは本当に普通だった。香り、酸味、苦みのすべてが控えめで、温度が変わっても味がほとんど変わらなかった。この感想をメモするときに、咄嗟に「d(味)/dT=0」と書いたのに自分で少し可笑しくなった。

バスの発車時刻になったので、ターミナルに向かった。御殿場線がだめだったので、バスはどうかと思って思案していたけれど、バスの方はICカードの利用ができた。小さい頃はあまり好きではなかったバスも、今は悪くないと感じる。電車と同じで、自分は何もしていなくても勝手に移動してくれるし、窓が大きいので、見晴らしの良い道では景色を見やすい。尤も、小さい頃に遠足などで乗っていたバスは、シートの間隔が狭く、窓も小さかったので、単純に比較できないとは思うけれど。
乗車後40分ほどでバス停玄倉に到着した。道路を挟んだ向かい側には丹沢湖が一面に広がっている。上流から流れてきた河川の水が溜まってできるような、平野部にあるものとは違って、山の中にある湖は少し不思議な感じがする。空からの直接の降水と、地中の水分の滲出で生じるのだろうから、浜辺で掘った穴の底に水が溜まっていくのと変わらないのかもしれないと、考えることならできるけれど、それでも海から距離も標高も随分離れた場所に、これだけの水量の水溜りができるのは面白いと思う。

道はGoogle Mapsで確認していたので、自販機で飲み物を買ったらすぐに出発した。しばらく湖畔を歩いていくと、川に差し掛かったあたりで突然水の色が変わった。

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ワァ!
小さい頃に遊んだ酷い臭いのするスライムを思い出した。

建材の業者の車が通る為か、途中の杉林の中以外は結構道が整備されていて、誰でも迷うことは無さそうだった。平日だったので人も少なく、気分よく歌を歌いながらハイキングを楽しんだ。
発電所までは3つのトンネルがあった。そのうちの1つは全長が300m以上あり、ライト無しでは真っ暗で何も見えなかった。事前に調べた時点で、懐中電灯が必要であることは知っていたのだけど、出発前に家の中を軽く探してみても見つからなかったので、今回は持たずに来た。実際のところ、iPhoneのLEDライトだけでも歩くには十分だった。落とし穴があるわけじゃあるまいし、一本道のトンネルの中だとわかっているのだから、自分の近くの壁面さえ照らしていれば平気である。

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境隧道

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新靑崩隧道

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石崩隧道

3つ目のトンネルを抜けたところで玄倉ダムに到着。

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目的のブルーは水門で隔てられた上流側にあった。

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ネットで書かれていたような「神秘的」な感じはしなかったかも。
碧いには碧い(青ではなく)。

バス停に到着したのが13時39分で、ダムに到着したのが14時50分ごろだったので、1時間10分程度かかった。結構サクサク歩いてこれなので、距離はそこそこあったと思う。
神秘的な感じがしないからか、いつまでもじっと見ている気にはならなかったので、写真を撮り終えたらすぐにその場を後にした。

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この日は天気が良くて植物が活き々々して見えた。
服装から、登山の行程に含めて来ていると思われるような人もいて、挨拶をすることで登山気分を分けてもらえた。

来るときにLEDライトで照らしながら通った新靑崩隧道内の道は、曲がり角を挟んだ片方がもう一方に比べて長い、数字の「7」の様な形をしている。そのため、往路では曲がり角を過ぎるまで進行方向から光が入って来ず、後ろからの光も長い道のせいですぐに届かなくなってしまうが、それに対して復路では、最初の道が短いおかげで曲がり角までが後ろからの光で照らされ、カーブを過ぎてからは先方に小さく出口の光が見えるので、ライトが無くても道を見失うことが無い。歩いていて楽しいのは当然往路だ。碧い水をもう一度見たいとは思わなかったけれど、真っ暗なトンネルの中はもう一度歩きたいと思った。

次に玄倉に帰りのバスが来る時刻は16時6分と、その次が16時51分だった。ダムを出たのが15時10分頃の事だったので、普通に歩けば51分のバスに乗ることになるが、帰りが遅くなるのは嫌なので、6分のバスに間に合うよう少し走ることにした。日中に走るのは久しぶりだったので、気持ちがよかった。

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やっぱりここは帰りも気になった。
数時間前に見た時とは混ざり方が違う。

無事6分のバスに乗ることができ、元々の予定と1時間弱しか変わらない時間に帰宅することができた。松田駅前の喫茶店には、夕方に訪れる予定だったのだけれど、トラブルで昼食に食べるようになったのは、かえって良かったと思った。ナポリタン調査もできたので良い1日だった。

カナヘビ

小学校4年生の時、クラスの男子の間でカナヘビ捕りが流行っていた。小学生にとって、カナヘビは飼育が比較的簡単で、昆虫よりもなんとなく恰好良く見えたのだと思う。教室のロッカーの上には、自分の捕まえたカナヘビを自慢したくて仕方がない男子達の虫かごが並んでいた。昼休みになると、彼らは校舎の裏の繁みに行って蜘蛛を捕まえ、それをカナヘビのいる虫かごに放り込む。動く蜘蛛を素早い動きで捕食するカナヘビの様子を、皆で見て楽しむのだ。複数の小学生から、まじまじと見られながらの食事を強いられていたカナヘビの立場を今想像すると、ぞっとする。ごめんよ、カナヘビさん。

ある時、クラスの男子数人のカナヘビを捕まえに行くのに同行させてもらった。自転車をしばらく走らせ、到着したのは学区外の中学校だった。カナヘビ捕獲隊隊長のウエマツくん曰く、ここは知る人ぞ知る絶好のカナヘビ捕獲スポットであるとのことだったので、一行の期待は高まった。心臓をどきどきさせながら、えんもゆかりもない中学校に侵入し、枯葉を掻き分けて捜索をすると、本当にあっさりターゲットが見つかった。隊長を信じて良かった......。信じられるものを得た隊員は、夢中になって枯葉を掻き分けた。
しばらくの間捜索を続け、満足して帰る雰囲気になった頃、隊長が1匹いらないから僕にくれると言った。飼うつもりはなかったから、虫かごは持ってきていなかったけれど、もらえるとなるとなんだか欲しい気もしてきたので、とりあえず、仮のかごにお菓子の箱を(これも隊長に)もらって、それに入れて持ち帰った。箱を受け取る際、隊長から「あとは自分で工夫して」との言葉をもらったが、工夫とはどういうことなのか、新米の僕にはよくわからなかった。
使っていない虫かごが無いか、家に着いてから探してみたけれど、全部カブトムシを飼うのに使われていた。新しく虫かごを買ってくれるように頼むのは憚られたので、とりあえずお菓子の箱のままで飼うことにした。しかし、夜になる頃に、お菓子の箱で飼っていては、カナヘビの様子が少しも見られないことに気が付いた。これではちっとも面白くないし、いつまでも狭い中に閉じ込めておくのはかわいそうだと思ったので、一旦床の上に放してやったところ、一目散に駆け出し、ベッドの下に這入り込んでしまった。懐中電灯で照らしてみたところ、埃の中に姿が見られたので、それで安心して、そのまま寝てしまった。
それから2、3日の間は、時々部屋の中でカナヘビを見かけることがあったけれど、すぐに見なくなった。カナヘビを箱から逃がしてから、カブトムシを飼うのにも何故か飽きてしまって、全て友達にあげてしまった。かごの中の生物を見ているときよりも、ベッドの下に潜んでいるカナヘビを見た時の方が楽しかったせいかもしれない。

今でもベッドの下を見ると、カナヘビを目で探してしまうことがある。

ポケットモンスター フタの上で温めるスープ・フタの上で温めないスープ

メモ帳

2月末に八王子で買ったメモ帳が、想像していなかった効能を発揮しているので報告する。

元々このメモ帳は、「外にいるときにふと思った事」をメモするために買ったもので、もう少し具体的に言うなら、ブログに書き起こす前のワンクッションとしての用途のみを想定したものだった。実際、購入した10日後の旅行で使ってからはしばらく使っていなかったし、厚めのもの(9mm程度ある)を買ってしまっていたから、これじゃあ格好がつかないなあ、なんて思いながら、まっさらなままの残りのページを眺めていたような状態だった。
ところが、ジョギングや表情筋のストレッチを始めた頃からメモを再開し、その日あった事、思った事を毎日書くようになると、変化が出てきた。考えた事や調べた事に関する備忘録としての効果はもちろんだけれど、僕が特に面白いと思ったのは、頭の中だけで考えていた事が、後から紙に書き込んで視覚化することによって、内容が整理され、思考がさらに数段階進んでいくという点である。単に日中の思考を辿るつもりでも、文にすることでその時には気付かなかった考え方や事実のつながりが見えてきて、ペンを動かす手の動きが止まらなくなることがある。諦めて途中でやめた暗算を、紙に書いて最後まで計算し直しているような感覚だ。

 

呼吸

いつからなのかもう覚えていないけれど、近くに人が複数居る状況下で、呼吸がしづらくなることが多くなった。定期的に遭遇して印象に残っている場面は、通学の電車内、美容室、リビング等だ。通学の電車は混雑していることが多く、何故か無意識に息を潜めてしまう。すると身体が強張ってきて、不安感から視線が泳いだり、脈拍が早まったりする。落ち着かせようと深呼吸をしようと思っても、上手く息が吸えない。美容室では、染髪をするときに毎回赤面してしまう。リビングは家族の話し声や生活音、動きや視線が気になって落ち着かない。テレビから聞こえてくる音が気になることもある。
症状について調べてみるとヒットするのが「パニック障害」、「過呼吸」といった単語で、そこまで酷くはないにしろ、確かに近い症例が書かれていたりする。真に受けたら病院に行くことになってしまうので、とりあえず適当に読み流していると、分かったことがいくつかあった。まず、息が吸いづらい状態というのは、吸えていないのではなく、むしろ吸い過ぎている状態なのだということ。そして、過呼吸を防ぐには鼻呼吸を心がけるのが良いということ。不安感などは呼吸が上手くできれば何とかなりそうだということ。赤面については、冷え性について調べていた時に血行不良が原因であることをたまたま知った。表情筋のストレッチを始めたのは、実はこれがきっかけである。

 

思ったこと

冷え性しかり、体の不調は自分の悪い癖を自覚する良い機会なので、あまりネガティブにならずに改善されていく様子を楽しめば良いと思う。性格的なものもあるだろうけど。

問題・解決

冷え性が改善しそうなので報告する。

症状を自覚したのは中学3年生の頃だ。人から手が冷たいと言われ、冬の時期にはしばしば足先が霜焼けを起こしていた。霜焼けは少しつらいけれど、なってしまうものは仕方がないし、毎年の事だったので当たり前に受け止めていた。
原因として挙げられる血行不良については、思い返してみると他にもいくつか心当たりがあった。小学校のプールの時間では、人一倍唇の血色が悪くなりやすかった。中学の部活では、夏の時期以外は動いてもなかなか顔に汗をかけなかった。
代謝が悪いのだと思い、サウナに行ったりランニングをしたりしてみたが、胴体こそ温まって多少汗をかきやすくなったものの、四肢の末端や顔は相変わらず冷えやすいままだった。特徴的なのは胴体は温まるという点で、冷たい四肢の末端とは対照的に、僕の体温は普通、或いは少し高いくらいなのだ。平熱に関する去年の記事(本日より - 昼型の生活)を投稿してから測定した6日分のデータがあるので公表すると、

  • 2015/03/18
    18:30 - 36.7℃
    22:42 - 36.7℃
  • 2015/03/19
    07:12 - 35.9℃
    09:03 - 36.7℃
    18:54 - 36.3℃
    22:34 - 36.6℃
  • 2015/03/20
    11:07 - 36.4℃
    16:16 - 37.0℃
    23:53 - 36.5℃
  • 2015/03/21
    10:23 - 36.3℃
  • 2015/03/22
    05:32 - 35.7℃
    19:06 - 36.7℃
  • 2015/03/23
    10:28 - 36.5℃

となっていて、起きている間は大体36.5℃付近であることがわかる。結局まともに4回測定したのは1日だけだった。
体温が標準的な数値で安定している事は、冬場に人より着込まなくても平気でいられたり、6年以上風邪をひいていない事の要因であると思う。免疫力の高い冷え性って間抜けっぽい。

本題の改善の兆しが見え始めたのは3日前の3月26日の事で、朝から2時間程度散歩をしたところ、1日手先が温かい事に気付いたのだ。これがきっかけとなり、症状について少し真面目に考える気になった。
調べてみたところ、体温が高いにも関わらず冷え性なのは、ストレスや加齢による末梢の血液循環の悪化が原因だから、血行を良くする効果のあるカプサイシンを含む唐辛子をたくさん食べて治せ!といったような事があちこちに書かれていたのだけれど、そんなことで治(ってたま)るか!と思ったし、何となく自分の症状とは異なるような気がした。血行が悪いのは事実だと思うけれど、僕が感じている程度のストレスが原因で冷え性になるのなら、世の中の大半の人が冷え性になって、冷え性の逆の「温もり性」という言葉が遍く世間に知れ渡っているはずだ。
最終的に参考になったのは、意外にも冷え性とは直接的に関係のない、人間の体温を保つ仕組みに関するページだった。人間には寒い場所に行ったとき、手足に送る分の血液を体の中心部の循環に回して体温を保とうとする仕組みが備わっているらしい。つまり、冬場に手先が酷く冷えていたり、足の指が霜焼けになっていたりしたのは、程度に問題こそあれ、体温が高く保たれていたことを考えれば正常な反応だったということになる。
結局のところ、寒い場所に居ても体温が保たれていたことによって、寒くないのだと錯覚をしていたのが問題で、大人しく温かい場所にいれば良かったのだ。家にいるときは真冬でも暖房を使わずに裸足で過ごしていたせいで、先述の反応が常に起きている状態になっていたのだと思う。

靴下を履く他にも、筋肉をつけることが血行促進には効果があるとのことだったので、足先のためにジョギングを、顔のために表情筋のストレッチを始めた。人から言われる事は多かったけれど、余程普段無表情だったのか、ストレッチをした数分後には筋肉痛になっていたのが面白かった。顔の血行が良いと色々と良いことが多いそうなので、これは絶対に続けていきたい。

2016-03-21

西日本を横断する旅行をするのに、18きっぷを2枚購入した。その時の旅行記事を見てもらうとわかるが、実際に切符を使ったのは7日分で、実は3日分余りがある。もう一か所旅行をするのは金銭的に厳しいので(現時点でも既にマイナスである)、高校の友人を誘ってどこかへ出掛けることにした。2月末に、高校の同級生の中で唯一LINEを知っている2人に連絡をして、その話を持ち掛けると、すぐに賛成してくれた。行きたい場所、路線などを聞いてみたけれど、なかなか難しかったので、結局僕が勝手に決めてしまった。

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以前行った時に面白かった鋸山の石切り場を見学する。
それぞれの家に近い駅で合流・分岐できるような経路を選択した。

 

今回は同行者がいるので、普段とは違って全く外を見ることはしなかった。彼らは高校を卒業してからは、友人数人で原付旅行をしているらしく、その話を聞くのが面白かった。
浜金谷駅に着いた時には小雨が降っていたけれど、ロープウェイに乗って山頂まで登ると雨は止んでいて、しばらくすると良い天気になった。日本寺には止むを得ず入場したが、参拝はしないで石切り場を見に登山道へ行った。石切り場があるのはいずれも登山道の頂上付近なので、しっかりとした装備が無くても何とかなる。前回見た石切り場に加えて、前回は行かなかった方にも足を伸ばすことができたので、僕は満足だったし、2人も楽しんでくれたようだったので良かった。

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地獄のぞき。
この日は展望台が混雑していたが、あれは竹田城パターン*1に違いないと3人の間で見解が一致したので、ここから写真だけ撮って素通りした。

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ラピュタ壁。
2人の反応も良くて嬉しかった。僕は前回ほど感動はしなかった。

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登山道にある階段。
気味悪く撮れたと嬉しそうにしていたので載せておく。

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写真を撮る長身の彼を点景に添えた、岩壁の大きさが判るグッドな写真だ。
もう1人の友人の撮影。

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石を切るのに使っていたと思われる機械がそのままにしてある。
「経年が感じられて面白いね」との感想があった一方で、「ここに置いてあるのは何だかわざとらしい気もする」との感想もあった。
誰もカメラを構えていない内から彼がポーズを決めてじっとしていたので撮ってあげた。

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背景の不気味さと彼のふざけた笑顔が不釣り合いで面白い。
ちゃんとしたカメラで撮ってもらったのでピントの合い方が違う。

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苔を見るおさかな。
壁が規則的に波打っているのも面白い気がする。

2か所の石切り場を見て回ると思っていたよりアップダウンがあって、山道を歩くことを伝えていなかった彼らには悪いことをしたと少しだけ思った。

2時間ほど見学をしてからロープウェイで山麓へ降り、前回来た時には閉まっていた人気の食堂に行った。14時過ぎでも人が並んでいて、僕たちが並んでから10人ほどで品切れになった。

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アジフライ定食他。馬だ!
大盛りで注文したご飯が"ちゃんと大盛り"してた。

お腹を満たした後は久里浜までフェリーで渡った。友人の1人がしゃっくりをし始めたので笑っていたら、船から降りた後でもう1人に移ったので、さらにおかしくなった。僕はしゃっくりの真似をして、しゃっくりをする友人に合わせようと試みた。出るときは言ってと頼んでみたけれど、しゃっくりの出るタイミングなんて分からないと言われた。

久里浜に渡ってからはそのまま家に帰った。また集まろうと約束して、1人目を改札まで送った*2。もう1人は改札まで来たところで、自宅まで車で送ろうかと言ってくれた。鉄道だと直線距離からは遠回りだったのでとても助かった。

自分からお出掛けに人を誘ったのは本当に久しぶりだった。今年はこの調子で少しずつ人と交流できたら良いと思う。

*1:遠くから見る分には絵になるが、実際に足を踏み入れてしまうと良さが薄れるさま。

*2:18きっぷだから一緒に改札を出る必要がある

調査報告

ナポリタン調査(03/20)

昼型人間らしく、昼過ぎに目を覚まして階段を下りると、玄関に家族のものではない小さな靴があった。すぐに弟の恋人のものであると察しがついたので、そのまま部屋に戻ったものの、数時間もするとお腹が空いてきた。リビングでご飯を食べるのは嫌だから、駅の駐輪場に置きっぱなしになっている自転車を回収するついでに、約3週間ぶりのナポリタン調査をしようと決めた。
最寄り駅までは歩いて20分程度の距離で、考え事をしながら歩いているとあっという間に着いた。今回行くお店は、電車で行くと4駅(途中で乗り換えあり)、距離にして片道5km程の場所にある喫茶店だ。自転車道のある大きな道路もあるし、お金にも余裕はないので、自転車で行く。
ひたすら真っ直ぐに伸びる自転車道を走るのは、なかなか快適だった。駅の駐輪場に自転車を駐め、お店に入った。

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外からは中の様子が伺いづらい良い喫茶店だ。

僕以外にはお客さんはおらず、マスターはテレビの相撲中継をずっと見ていた。ソファの座り心地がとても良かった。

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久し振りのナポ。
ベーコンでなくてソーセージなのはポイント高い。

食後のコーヒーは香りがとても良くて、しばらく口を付けずに嗅いでいた。

 

紅茶調査(03/20)

この間、家にあったティーバッグの紅茶をいくつか飲んでみたら、良い香りに気分が落ち着き、紅茶に興味が湧いた。外でコーヒーを飲むほかに、家で紅茶を嗜むのも悪くないと思ったので、とりあえず通販で無難にアールグレイのティーバッグを購入した。全てポイントで払ったので、お金の心配はない。あるけれども。
コーヒーは前に粉末のものを使って淹れようとして*1、ほとんど麦茶のような超アメリカンコーヒーができて以来、外で飲むことに決めているので、家ではあまり飲まない。それに、ナポリタン調査をするようになってから、外出先の喫茶店でちょくちょくコーヒーを飲むようになっているので、中途半端に舌と鼻が肥えてしまっているのではないかという懸念もある。紅茶なら外で飲んだことはあまり無いし、市販のティーバッグでも結構楽しく飲めそうなので、家では紅茶を飲む。
amazonではないので注文してから2、3日ではまだ届かないが、届いたらまた記事を書くことにする。

*1:コーヒーメーカーを使うのはこの時が初めてだった

2016-03-19

知らない男と並んで、暗い階段を下りていく。男の輪郭の他には何も見えなかったので、建物の中にいるものだと思っていたのだが、下りたところは屋外の広場だった。コンクリートタイルの敷かれた広場の中央だけが、白い光で薄く照らされていて、周りには植木が並んでいる。
さらに階段を下りていくと、また同じような広場に出た。辺りは静まり返っており、僕たち2人の足音以外には何も聞こえない。一歩前へ踏み出すと、こちらを覗く霊の映像が脳裏をよぎり、その瞬間から強い緊張が生じた。同行していた男は僕の一歩先の位置を保ちながら、薄く照らされた広場の方へ、タイルの上を足音を響かせながら歩いて行った。
常に次の瞬間には恐ろしい体験をするような予感をしながら、後ろを歩いていると、彼の呼吸が荒くなってきた。相変わらず、辺りからは僕ら2人以外の気配は感じられないし、音も、僕ら2人の足音と呼吸音しか聞こえない。一向に何も起きない状況に恐怖し、堪らず彼は大声をあげて駆け出した。彼が前へ走ることによって、後ろから何かが追って来ているような錯覚を起こし、水を浴びたような気がして、僕も彼に続いて走り出した。
最初の広場を駆け抜けたところで右を向くと(右しか見えない)、そこにも似たようなコンクリートタイルの広場があった。彼は勢いそのままにその広場の方へ走っていく。こちらの広場は周囲が胸の高さほどの石垣で囲われており、やはり中央だけが白い光で薄く照らされている。僕たちは広場の奥に辿り着き、必死でその石垣をよじ登ろうとするが、手を掛けると途端に腕の力が抜け、なかなか登ることができない。そうしてもがいている間にも、段々と後ろから何かがせまってくるような気がして、足の力まで抜けてしまう。身体を大きく震わせながら、やっとのことで彼は石垣を登り切り、僕のことなど忘れたように、或いは最初から知らなかったのかもしれないが、暗闇の方へ駆けていった。僕はいつまでもその石垣を登り切れずにいた。