静岡発 宇宙行

みなさんの中に宇宙旅行をしたいと思ったことのある人はいるだろうか。きっといると思う。僕もそのうちの一人であり、ただ一方で諦めてもいたのだが、成人男性4年目を迎えた今年、偶然にもなんと静岡からスペースシャトルが運行していることを知った。

ことの始まりは2つ前の記事にも書いたサウナだった。現在は週一で通うホームサウナである、大学近くのスーパー銭湯でその楽しさを知って以来、いくつかの店舗を回り、様々な温度・湿度のサウナと水風呂の体験を通じて訓練を積んできた。
そのような厳しい訓練をこなす日々の中、Twitterでフォローしているサウナの師である成人男性から、静岡にある有名なサウナへ行かないかとお誘いを頂いた。ここの評判についてはネットで既に知っていたので、二つ返事で誘いを受けたのだが、そのときの誘い文句が強烈だった。

宇宙旅行が約束されている異次元の水風呂がある」

外気浴によって自然と一体になる感覚を覚えつつあるおさかなであったが、流石に重力を失う領域にまでは到達していなかった。師は以前からTwitter上でも度々宇宙体験を仄めかすツイートをしていたので、現場を押さえるチャンスだと思った。

当日、県内の駅で落ち合ったのち、師の運転で静岡へ向かった。フォロワーと会うのは初めてのことだったので、話題が尽きないか多少の懸念はあったのだが、会ってみると話すことはいくらでもあり、大変楽しい時間を過ごすことができた。
神奈川を出発しておよそ2時間後、目的地に到着した。受付でタオルと館内着を受け取って浴場に入ると、轟音を立てて天井から水風呂に注ぎ込む「滝」と、滝壺でその水に打たれる老人の姿が目に入ってきた。この見た目のインパクトもさることながら、この水には性質の面に大きな特徴がある。それは多くの水風呂が水道水を用いているのに対して、ここでは天然の湧水を使用していることだ。これにより、浸かった際の肌触りは異常なほどなめらかで、注ぎ口から流れる水はそのまま飲むことができる。冷水機を経由せずにサウナ・水風呂・休憩所を行き来できるのは心底たまげた。たまげた。たm

ところで「異次元」と評される水風呂は勿論だったが、2種類あるサウナも相当気に入った。1つは日本で一般的な乾式のサウナで、室温は115℃だった。かなり高温の部類だと思われるが、不思議と息苦しかったりピリピリする感じはしなかった。師匠の考えではヒーターがむき出しになっておらず、暖炉に置かれた熱岩によって間接的に暖めているからだとのこと。そしてもう1つは室温60℃程度の湿式のサウナで、薬草の成分を含ませた蒸気で室内が満たされている。この薬草の香りがやたら癖になり、同じ薬草を使ったお湯をタオルに染み込ませ、何度も嗅いだほどだった。何故か足元の壁面からアツアツの蒸気が絶えず湧き出てきており、常に足のやり場に困ったのもよかった。

これらの健康待ったなしの布陣を迎え、最初のセットを終えたときには軽くめまいがするほどキマった。これが宇宙酔いだろうか。途中、師匠が大量の蒸気とともに薬草サウナから飛び出してきたときには思わず笑ってしまった。そんなこんなで体調も良かったのであっという間に4セットを済ませ、抜け殻状態で浴場を後にした。

ここのサウナは食堂のご飯も美味しいとのことだったが、今回は近くにあったさわやかでお昼を食べることにした。御殿場店には以前オープンして間もない頃に訪れたことがあり、その味と混雑具合に驚かされたが、今回の店舗も相変わらず混んでいた。都合よく隣にファミレスがあったのでそちらに入店し、適当につまみながら時間を待つことにした。ファミレスでは共にサラダとドリンクバーを注文したのだが、注文した直後に「まぁ僕は飲み物は水で十分なんですけど」「はは、実は俺もそうなんだよ」といった不毛な告白で意気投合した。
その後、思っていたよりも早く案内の時間になり、ハンバーグにありついた。

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クァ~~!

前回はオニオンソースだったので、今回はデミグラスにしてみた。宇宙体験からのさわやかの流れは犯罪的。ハンバーグが残り少なくなってきた頃、師匠からシェアをしようと提案がされたのだが、そのときに味違いのものを注文したときは最初からシェアしながら食べるのが普通なのだと気づき、少し反省した。

食後は高速が混むと困るというので、さっさと静岡を後にした。車内では小さい頃に遊んだポケモンがんばれゴエモンのサントラを流しながら、柴犬の魅力や共通でフォローしている限界成人男性の話などをした。

近いうちに訪れるであろうフォロワーの退職祝いのタイミングでまたサウナに行こうと話をしたので、その時が今から楽しみで仕方ない。