近況

近況

  • 同窓会

一部の食べ物には、それを苦手と言った際に「良いものを食べたことがないからだよ」と周りから説得されるようなものがある。もちろん品種や品質の如何を問わず苦手だ、という場合もあるが、そのことも含めて、食べ物の好き嫌いにはその他の苦手なもの一般に通ずる部分があると思う。
大学に入って間もなく、それまでは何でもなかった色々なことが苦手になった。笑うこと、人と一緒にいること、時間を管理すること、人前で堂々と振舞うこと、、、他にもある*1。それぞれの詳細については追々書いていくが、2月18日に開かれた中学の同窓会で僕が感じたのは、人間関係の問題と食べ物の好き嫌いが似ているということだ。

おしゃべりをするのが億劫に感じるようになってから随分経っていた。中学生の頃に部活やクラスの仲間と毎日楽しくおしゃべりできていたのは、当時の自分が中学生だったからで、大学生の自分とは異なる人物であると考えていた。大学生になった自分はと一緒にいるのが苦手で、ほとんどの時間を一人で過ごしていたので、今度の同窓会でも以前のように振る舞えるか少し不安があった。
当日、集合場所である駅の改札口の前まで来た時点でも、まだ不安は残っていた。しかし小学生の頃からの友人と対面した瞬間、その不安はすぐに消えてしまった。最後に会ってから7年が経っていたが、お互いたったひと月の夏休み明けに会った時のような自然な態度で、変わりなく、まるで当時に戻ったかのような気持ちで接することができた。当時の部活のメンバーはどうしているとか、高校では何部に入っただとか、何を話しても楽しかった。
大人数が集まったと聞いている成人式の後に行われた集まりとは対照的に、LINEグループを使って呼びかけを行った本会は、最終的な参加者が20名弱と多少小規模ではあったものの、比較的穏やかな面々が集まった良い会だったと思う。隣に座っていた友人は酔ってすっかり気分を良くした様子で、杏仁豆腐が美味しくて仕方がないとしきりに話しかけてきていたのが面白かった。人と話していて心から笑ったのはいつ振りかと思った。
また次に開かれることがあれば必ず参加すると幹事を務めてくれた友人に伝え、家が近所の友人とは一緒に歩いて帰った。気心の知れた相手と、成長して落ち着いた今になって話をするのは心地が良かった。

そして結局、気心の知れた相手と接する機会が無くなってしまっていたというだけで、と一緒にいるのが苦手になったというのは勘違いだったと気づいた。苦手な品種のものを食べたからと言って、その食べ物全てを拒絶しようとするのは、あまり賢いやり方ではないと思う。特に人間関係は仙人にでもならない限り避けては通れないものだし、その他の苦手なことについても、楽しめる部分がないか探すようにしようと思った一件だった。

 

  • 卒論発表

2月23日に卒論発表があった。モイ姿勢で堂々と振る舞うことを心がけて発表に臨んだ。発表自体はうまくできたと思う。内容に造詣のある人が聴講を担当している教員の中にいなかったため、質疑応答はほとんど補足説明の様な形になった。
会が終わった後、不注意で入れてしまっていたアルバイトへ向かうのにすぐに大学を出た。訳あってこの日で会うのが最後になる研究室の同期が2人いたので、挨拶も碌にしなかったのは少し悪かったかもしれない。おわり。

 

  • 勉強会とその準備

神戸で研究に関する講座が3月に行われるという話を1月の中頃に先生から聞いた。ポスターを見て面白そうだと感じたし、旅費や宿泊費の補助もしてもらえるとのことだったので、行くことにした。
しかし、気になることが一つあった。ポスターに記されていた「必要とされる知識や経験」の項目に、致命的ではないにしても一部満たしていないものがあったのだ。先生は平気だと言っていたが、失礼ながら僕はあまり信じていなかった。またこの時、こういう時に根拠を尋ねると大抵煩わしそうにされることが、1年間の研究室生活で経験済みだったので、納得した振りをしておいた。実際のところは、不安を感じるくらいなら勉強した方がいいと思い、卒論発表の準備を進めながら勝手に勉強していた。

講座は3月13日から始まるが、県外からの参加者の中には前泊が必要になる人もいた。僕もその一人で、前日に高速バスに乗って神戸入りした。新幹線分の旅費が支給されることがわかっていたので、ありがたくバスを利用した次第だ。高速バスを利用するのは今回が初めてだったが、サービスエリアの出店で食べ物をつまむ楽しみもあったり、それほど酷いものではなかったように思う。
神戸で過ごす期間中は各自で食事を取るように案内がされていた。参加者のほとんどは大学内の食堂やコンビニを利用していたが、僕はお金が無かったので宿舎の自販機で売られていたカロリーメイトをひたすら食べて過ごした。それなりに腹持ちも良かったように思うし、宿舎の部屋では新しいトレーニングの方法を見つけられたので、惨めな気持ちになることは全く無かった。

講座自体は戸惑う部分もあったものの、事前の準備の甲斐あって恙無く終えることができた。

*1:現在ではどれも概ね克服している

2017-03-24

書くことがたまり過ぎた。生きていると書くことがたまる。
今日3月24日は卒業に関するあれこれがあり、翌日からはまた旅行に行く。このまま放っておくと記憶域が決壊しそうなので、ここで整理だけでも済ませておくことにする。

 

近況

  • 同窓会
  • 卒論発表
  • 勉強会とその準備

雑感

  • トレーニングの進捗
  • 筆記に関すること
  • お酒のあれこれ
  • 手帳を使い始めたこと

振り返り

  • 大学生活
  • 出会った人
  • 研究室での1年間

 

 とりあえず上の3つくらいは記事にして投稿しようと思う。モヨ。

2017-01-19

半島を思わせるヒト気の少ない道を歩いていた。季節はおそらく夏で、よく晴れた日だった。季節の推測が間違っているのか、海が近いからなのか、蝉の声は聞こえなかったように思う。線路と交差する地下道を通り、ロータリーのある駅の反対側に出てから、目的地へ向かうバスに乗り込んだ。中には女性の乗客しかいなかったので、不思議に思って話を聞いてみると、女性専用のツアーバスであることが分かった。幸い非難を受けることもなく、簡単に謝ってからバスを出ることができた。
バスの当てが無くなってしまったので、ロータリーを後にして、ふらふらと歩き出すと、どこからか町内放送が流れ始め、「今日は一日晴れが続く」というだけの簡単な天気予報がされた。その予報を聞いた僕は、どうしても曇って欲しいと思うようになった。岬で千切れた遠くの雲を眺めながら、それが広がっていくイメージをしているうちに、気が付くと港まで来ていた。桟橋の上に気象予報士の〇原さんがいて、先ほどの天気予報を聞いたか、今日は絶対に曇ったりしない、というようなことを捲し立てている。僕は嫌な気持ちになって、その場にしゃがみ込んだ。すると声は聞こえなくなった。大きな身振りで何かを話している〇原さんの様子を見ていると、滑稽に感じられて、気持ちが落ち着いた。
木〇さんが話すのを諦めたころ、空が曇りだした。僕は気分が高揚するのを感じた。「これは大変なことになります!台風が来ますよ!」と〇原さんを脅していると、すぐ近くで6~7mくらいの竜巻が発生した。明らかに僕の方へ近づいて来ていたのだけれど、僕は竜巻の様子に見入っていて、そんなことは気にならなかった。ほんの数mの距離にまで竜巻が近づいてきたころにようやく、避難訓練で仕方なく机の下にもぐり込む学生のように、だらだらと桟橋から海へ下半身を下ろし、上体で橋にしがみつく体勢で直撃に備えた。竜巻は轟音を立てながら僕の身体を飲み込み、僕は水中と海上を行ったり来たりした。
しばらくすると竜巻は過ぎ去り、なんとか耐えられたようだった。ジェットコースターを乗り終えた時のような安堵の心になり、一息ついて海から上がろうとすると、足が無くなっていてよじ登ることができない。上がれないものは仕方がないので、そのままでいることにした。

 

 

夢の話は終わり。筋肉の話をする。

トレーニングチューブを使った感想

モイ。主に前腕を鍛える目的で、ダンベル代わりになる(と思われる)ハードタイプのトレーニングチューブを購入した。両手両足の4点で支えた状態で腕を上下することで、ダンベルトレーニングに近い運動ができるイメージ通りのアイテムで、特にリストカール、リストエクステンションでは、今まで味わったことのない前腕の張り具合を体験するほど強烈に効いた。握力もグッと上がったように思う。
使い方を変えることで胸や背中に効かせることもできる万能性もある。しかも基本的に安価なので、硬さの違うものを複数種類買うこともできる。ヒヒヒヒヒヒヒ。

タンパク質

Twitterでも馬鹿の一つ覚えみたいに呟いているので、タイトルを見ただけで大体内容がわかってしまうと思うけれど、この記事では少し前から始めた筋トレの話をする。

体重の減少

中学3年生の頃を頂点にして、体重が毎年減少していた。体型も体重もそれほど変わっていなかったので、特に気にしていなかったのだけれど、後期に入ってからは少し状況が変わってきた。本格的に研究に取り組むようになり、学校に行く回数と時間が増えたことで、明らかに元々細かったお腹回りがさらに細くなってきたのだ。補足すると、僕は3年生になったころから、学校ではほとんど昼食をとっていない。したがって、僕は学校に行けば行くほど痩せてしまうのだ。
昼食をとらない理由はその時によって色々あるのだけれど、大きく分けて2つある。1つは、大学周辺に飲食できる場所が少なく、食べたいものがなくなってきていること。僕はどんなに美味しい食べ物でも、一度食べたことのあるもの(別のお店で食べたものは別物として数える)を繰り返し食べることはあまりしたくないので、同じ場所にいるとどんどん食べるものがなくなってしまうのだ。2つ目は、空腹感が気にならなくなってきていること。空腹感がないわけではないのだけれど、食事をしようという気が起きないのだ。

 

きっかけ

体重の減少を食い止めようと、たまに気まぐれでランニングを始めてみても、天気によって自分のしたい日にできなかったりして、なかなか続かない。12月に入って気温が下がってからは、『このまま布団の中で衰弱していくんだ...ははは......』などと考えるようになっていたが、あるときTwitterの某ダメ人間さんが、寝ている間にスクワットができたら体力が落ちずに済むというようなことを呟いているのを見て、今日も絶好調だなと思ったのと同時に、ひらめきが生じた。
ハンドグリッパーなら寝ながらトレーニングができるぞ!

 

器具

ハンドグリッパーについて調べていると、筋トレサイトに辿り着いた。その時は筋トレに腰を入れるつもりはなかったのだけれど、なんとなく読んでみると、「大きい筋肉から鍛えるのが基本!」というようなことがあちこちに書いてあった。なんでも、大胸筋、背筋、大腿筋といった、胴体にある大きな筋肉を鍛えないうちに末端の小さな筋肉を鍛えると、バランスが崩れると言うのだ。確かに、ハンドグリッパーばかりやっていたら、前腕だけが太いロックマンみたいな体型になってしまうかもしれない。危ないところだった...。
一通り書かれていることを読んだ頃にはかなりやる気になっていたので、実際に器具を探して購入した。今の段階で試してみたものは次の4つ。

 

トータルフィットネス(TotalFitness) プッシュアップバー  STT020

トータルフィットネス(TotalFitness) プッシュアップバー STT020

 

腕立て伏せの負荷を上げる器具。手首への負担も軽減してくれるらしい。カスタマーQ&Aの欄に握力500kgの人がいるのでオススメ。

大豆プロテイン 1kg 無添加 飲みやすい大豆プロテイン

大豆プロテイン 1kg 無添加 飲みやすい大豆プロテイン

 

安かったのでシェイカーと一緒に買った。味が添加されていないので、飲むヨーグルトで飲むことが多い。常温の水道水で飲むと嗚咽がするのでオススメ。

購入当時は300円で即決。調節式なのでオススメ。

まだ届いたばかりで一度しか使っていないけれど、効果は強烈だった。腰を痛めないようにフォームに気を遣う必要がある。三輪で安定性があるのでオススメ。

 

こんなところ。筋トレする気がなくてもプロテインは買ってみても良いと思う。体格や運動量によって推奨される摂取量は異なるけれど、日本人の場合は炭水化物ばかり取っていて、タンパク質は不足しがちであると言われている。

 

トレーニング方法

基本的には上で紹介した器具を用法通りに使っているが、少し意識していることもある。1つは、同時にできるものは極力同時にやるということ。例えば、ハンドグリッパーを使っている間、棒立ちでは時間がもったいないので、同時にスクワット*1をするようにしている。もう1つは、負荷とは関係のない部位に違和感があった場合に、フォームが間違っていないかすぐに調べること。間違ったフォームでやると怪我をする恐れもあるし、鍛えようとしている筋肉にイマイチ効いていないことも多い。

 

途中経過

大胸筋や上腕三頭筋は比較的早く、また、わかりやすく大きくなってきた。楽しい。毎回コンビニ毎に飲むヨーグルトの飲み比べをするのも楽しい。ダンベルの代わりに*2チューブを買ってみたので、試したらまた報告する。

 

 

あけおめ~

去年の抱負は「人に感謝する」だったと記憶している。表情筋を意識して、感謝している振りはたくさんできたと思うのでモイ。

今年は「練習」をテーマに掲げて過ごそうと思う。

苦手としているものや、直面している問題を調査・練習して解決する。今までもこういうことは好きでよくやっていたので、今年は特に本腰を入れて、避けてきたものにも目を向けて練習するつもりだ。その第一弾がお酒。
研究室の飲み会でも基本ソフトドリンクだけで過ごし、家にいるときに気まぐれで飲んだビールで動悸やめまいを体験したことがあるくらい苦手なのだけれど、少しずつ、食事と一緒なら一杯は飲めることに気が付いたので、次の飲み会を練習試合に設定し、年末ごろから練習を積んでいる。無敵になるぞ!

*1:スクワットは髪を洗っている間など、生活の中に取り入れやすいのでモイ

*2:ダンベルは邪魔なので買いたくない

(no contents)

どこかへ出掛けた、あるいは何かを買った、ブログ記事を書くのはそういうときが多かったけれど、最近はそういう活動をほとんどしていない。何もしていないので、何もしていないという事を書こうと思う。

 

院試

8月の終わり、西日本へ旅行をする少し前に、大学院の入学試験があった。1、2年生の頃は、院試というのは形だけで、勝手に進学させてもらえるものだと思っていたのだが、そうではなかった。
一昨年までは店員の1.5倍程度の学生を受け入れていたのが、去年からは文科省からの要請で、定員をきっちり守らなければならなくなったのだと、研究室の先輩や、先生から聞いた。僕の所属している学科では、同学年の学生100人に対し、大学院の募集定員は40人程度で、成績上位1/3の学生には、推薦入試の資格が与えられる。つまり筆記試験での合格者は10~15人程度で、漠然と想像していたよりも少なかった。特に去年は、変わり目の年であったこともあり、進路が決まらない学生が多くいたそうだ。実際、僕の所属している研究室でも、M1は一人だけである。その先輩も補欠合格だったというので、先生からはちゃんと勉強しておくようにと、配属して間もない頃から念を押されていたのだった。
散々そのような話をされていたものの、あまり危機感は無く、結局8月までのんびりしていた。8月に入ってからも普段通りアルバイトをしながら、ちょっと真面目に定期試験を受けるような気持で勉強を進め*1、試験に臨んだ。出来はともかく、大人数の学生の緊張の面持が見られたのでなかなか楽しかった。
合格発表は旅行から帰宅した翌日で、結果は不合格だった。先生と親に報告のメールを送り、数日後に研究室に顔を出してみたところ、研究室の同期が全員不合格だったということが分かった。2人はこれから就活をするらしく、もう一人は他大学を受けると言っていた。僕も就活をする気はなかったので、二次募集を行う大学を簡単に調べてから、他大学を受けると周りに言っておいた。しかし、この時になってもやはり、危機感や不安は無く、運が良い自分の事だから、補欠の通知が来ると、何の根拠もないままに予感していた。そして数週間後、予感通り郵送で追加合格の通知が来た。10月に入ってからは何となくそわそわしていて、毎日郵便受けを窺っていたのだけれど、目当ての封筒が見つかることは無く、結局母から不意に受け取ることになった。

「はい、ポストに入ってたよ」
「お、ありがとう」
「何か受かったの?」
「うん。院試だよ」
「インシって何?」
「大学院の入学試験のことだよ」
「そうなんだ」
「うん」
「............」
「............」

 

ここ1ヶ月のこと

冒頭に書いた通り、最近は何もしていない。毎日学校かアルバイトに行っているので、お出掛けは勿論、ナポリタン調査や喫茶店調査もしていないし、そもそも昼食をしばらくまともに食べていない。学校、家、アルバイト先の3点を行き来しているだけの最近の生活を時々省みると、自分のことながら不満を感じてもおかしくなさそうに思える。しかし実際のところは、学校、家、アルバイト先の3点を行き来しているだけなのだから、特別面白いことなど無くて当たり前だと納得しきっていて、不満など全く感じていない。アルバイトが面白くない分、研究には楽しく取り組めているし、それぞれが良い息抜きになっていると感じる。何もしていないけれど、なんだかんだ毎日を楽しく過ごせているのである。

 

11月24日

前日に確認した天気予報によると、翌日は雪が降るという。まだ11月なのだからそれはおかしいと思ったけれど、天気が月日を気にするというのもおかしい気はする。降りたいように降ったらええやん!
24日の朝に目を覚ますと、白い光が窓から差しているのに気が付いた。本当に雪が降っていた。この日は珍しく学校にもアルバイトにも行く必要が無かったので、家にこもっていても良かったのだけれど、せっかく雪が降っているのだから*2、雪見をしながら学校に行くことに決めた。
駅までの道の途中に、綺麗な紅葉の見られる公園がある。突然雪が降ったので、まだ鮮やかに色付いた葉は落ち切っておらず、黒々とした樹の幹と、白い空で作られたモノクロの中に、まるでそこにだけ色が与えられたかのように浮かび上がり、雪の間からちらちらと見え隠れしていた。盆と正月がいっぺんに来てもあまり嬉しくないけれど、秋と冬がいっぺんに来るのは良いと感じた。

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これは大学内の写真。
落ち葉の量に驚いた。

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人も少なくて良かった。

 

研究室に到着すると、先に同期が一人来ていた。今日は誰も来ないと思っていたので、意外に思っていると、次々に人がやってきて、最終的に5人も集まった。各々が雪の中寒い思いをして学校まで来ておきながら、ポケモンやらソシャゲやらで遊んでいたので、不思議な人達だと思った。

*1:こんな書き方をしているけれど、アルバイトの無い日は勉強に専念できるように、夏休みであった8月中も定期券を継続購入し、短期間で集中して取り組んだつもりである。

*2:雪の降る日は出掛けたくないという人は少なくないけれど、本当に厄介なのは雪の降った翌日だと思う。気温は低いままなのに、雪の降るのを見る楽しみが無い上、路面だけは一丁前に凍結していて歩きづらい。

使い古した絨毯

僕が誰かと出掛けるときには、ほとんどの場合僕から誘う。理由は単純で、誘われることが無いからである(オヨ...)。しかし、そのおかげで人を誘う度胸(?)は自然に身に付いたし、誘われないというだけで、こちらから誘ったときには九分九厘来てもらえているので、出不精の僕にとっては結果的に好都合である。

10月の初めに、高校のクラスメイトを誘って、埼玉県日高市にある巾着田へ行ってきた。巾着田は、毎年9月の中旬ごろから下旬にかけて開花し、高麗川に囲まれた林の中に、"赤い絨毯"とも称される景観を作り出す、大規模な曼珠沙華彼岸花)の群生地である。
以前から気になっていた場所ではあったけれど、一人で行くほどではなかったので、今回は同行者の力を借りることにした。席が近かった時に話したくらいで、遊んだことも、連絡先も知らなかった相手だったけれど、高校のグループラインのメンバーの一覧から見つけて、突然メッセージを送り付けてみたところ、快く受け入れてくれた。しばらくぶりだったので、色々と話すこともあり、楽しいお出掛けになった。

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事情があって見頃の時季には行けなかったので、"赤い絨毯"とまではいかなかったけれど、それなりに綺麗だった。天気も良かったのでラッキーだったと思う。

埼玉に来たので(?)、お昼はお蕎麦にした。「一日○○食限定」*1と書かれた十割蕎麦を注文し、万歩計の話や、ポケモンの話をした。

帰りには八王子に寄って、喫茶店調査に付き合ってもらった。喫茶店はモイという話や、ニートの話をした。

 

*1:周りのお客さんが注文するペースを見る限り、○○食はとっくに超えていそうだった

西日本海岸線5日目

高い場所があると、とりあえず上ってみたくなる。ロープウェイの営業の始まらない早朝6時前に起きて、気持ちの良い朝の空気を吸いながら千光寺山を徒歩で上った。馬鹿と煙は高いところに上ると言うけれど、これは無暗に目立ちたがったり、煽てられてすぐに舞い上がる様子を喩えたものであるから、人の多い時間を避けて、穏やかな気持ちで高い場所へ上る僕は該当しないはず。上からの眺めはそれなりで、対岸の向島との間を流れる尾道水道が、普段では見かけないような景観を作り出していたのが印象的だった。ざっと日本地図を眺めてみても、瀬戸内海ほど島々が点在する場所は他に無く、独特な地域であることが分かる。

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猫をたくさん見かけた。
港が近いから餌になる魚が手に入りやすいのかもしれない。

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ぽ。

 

 6時33分発の電車に乗り、尾道からさらに西へ向かう。青春18きっぷは、厳島神社のある宮島と本州を結ぶ宮島フェリーの乗車券としての利用ができ、山陽本線の途中の宮島口駅に着いた時には、少しそのことを思い出して気になったのだけれど、お昼には門司港へ着くようにしようと決めていたし、有名な大鳥居は、近くまで行くと足元がびしょびしょになるという勝手なイメージがあったので、今回は素通りした。歳を取ってからもう一度来ようと思う。

朝食を食べていなかったために、山口まで来る頃にはお腹が空いていた。旅行中の朝食は、駅内の売店で簡単なものを買って食べたり、この日のように食べずに済ませてしまうことが多い。普段午前中にお腹が空くことは珍しいので、この時だけ実家の朝食が恋しくなる。

13時過ぎに門司港駅に到着した。以前お世話になったモクモクのバイト先のお兄さんから、門司港駅の駅舎がかっこいいのだという話を聞いたことがあり、それも少し楽しみにしていたのだけれど、生憎駅舎は2012年から改修工事が行われていて、今は見ることができなかった。
港へ向かうと、"レトロ"と称される歴史的な建物の街並みが現れる。オレンジタイルの洋館など、かつての貿易港の情緒が感じられる一方で、周りは近代のタワーやマンションなどに囲まれている上、非常に綺麗にされているので、逆にこちらの方が後から作られた作り物のように見えなくもなかった。自分も含め、周りを歩く人の格好が現代のものだったのもあるかもしれない。それからもう一つ、そもそもの要因として、映像の先入観がある。これは、この門司港の街並みが最も栄えていた時代を残した映像がモノクロであることから、その印象が頭に残ってしまい、色付きで眼前に広がる光景に、違和感を覚えてしまうというものだ。特にモノクロは、この門司港に限らず強烈な印象を残すように思う。モノクロ写真に残された時代であっても、実際には当然世界に色は付いていたはずなのに、それを受け入れられない。もはやモノクロであるという事そのものが過去を保証している印象すらある。

門司港の話に戻りまつ。簡単に街の見学を済ませてから、名物*1である焼カレーのお店で昼食を食べた。

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言ってしまうと美味しい"カレードリア"だった。
上にオニオンフライが乗っていたのが良かった。

店主が大変気さくな方で、今回の旅行の事や、お店の事などの話をしているうちに、隣の席の方にまで輪が広がり、すぐに3人で話すようになった。話しているうちに、その隣の方が福岡市から仕事で来ていることがわかったので、門司の後には福岡市に行く事と、夕飯のお店を探している事を伝えると、天神の屋台をおすすめされた。お酒は飲めなくても平気だと言われたので、夕飯はそこで食べることに決めた。

美味しい焼きカレーを食べた後は、例によってタワーに上ったり、駅近くの鉄道記念館を見学したりした。

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これはどうなんだ。

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展望台カフェにて、バナナ紅茶。
なかなか美味しかった。

ここのタワーもやはり、エレベーターに乗っている時間が楽しさのピークだった。できることならガラス張りのエレベーターに乗って、10分間くらいは上っていたいものだと思う。

夕方になってから、博多へ向かう鹿児島本線に乗車した。窓から見た陽が、薄い雲に覆われていたせいで、輪郭がぼやけて大きく見えた。僕はよく夢の中で、恐ろしい大きさの月や太陽を見るので、錯覚や絵でもそういったものが現実に見られると、見入ってしまう。

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福岡は都会だった。普段なら嫌気が差す都会だが、福岡の街は、地下街が広く整備されているおかげで、歩きやすくて良かった。チェックインを済ませてから、夕食を食べに天神へ出かけた。
屋台が軒を連ねる通りまで来て、目当てのお店を確認すると、ぴったり満席だった。屋台は初めてなので、並ぶものなのか勝手がわからず、とりあえず意味もなく通りを2往復した。よっぽど隣の空いているお店にしようかとも迷ったけれど、なんとか耐えた。お昼にお店をおすすめしてくれた方と、この先会うことは決してないだろうから、僕がどのお店に行ったところで知られる事も無いのだけれど、自分自身の中に後ろめたさを残したくなかった。
お店のそばに立って待ってしばらくすると、2席程空いたので、ちょうどその時にやって来たお兄さんと相席することにした。せっかく隣同士になったので、地元の方ですかと話し掛けてみると、生まれは福岡だけれど、小さい頃に引っ越してから、ずっと神奈川に住んでいると言う。こちらも神奈川から来たことを話すと、お互いに県→市→区と範囲を狭めながらの探り合いが始まり、結局最寄り駅まで同じである事がわかった。福岡まで来てご近所(?)さんに会うとは考えもしなかったので、お互いに驚き、親近感が湧いた。アイスブレイクが済んでからは、普段していることや、お仕事のことなど、楽しくお話をすることができた。居酒屋などに入る機会が少ないこともあって、焼き鳥の種類などが名前を見てもよくわからないのだけれど、この日はお兄さんの助けのおかげで思うように注文できたのも良かった。

お店の方は話しやすいし、どの料理もこっちの専門店で食べるよりもずっと美味しかった。ラーメンと焼き鳥2本(ヨツミ、ズリ)とソフトドリンクを頼んだ上、手羽先をサービス*2してもらって850円という価格もグッドだ。福岡では安直にラーメンだからといってラーメン屋に行ったり、焼き鳥だからと言って焼き鳥屋に行くものではないなと思った。屋台だよ屋台!

 

この日1日で普段の2週間分くらいの会話をしたと思うけれど、疲れたとは感じなかった。そのくらいどれも楽しい会話だった。旅行を通して自然に触れる機会は中々なかったけれど、代わりに人とたくさん触れ合った、今までにない旅行だった。こういう旅行もモイ。

*1:港の周辺だけで焼きカレーを出すお店が20店舗以上ある

*2:お昼に会った人におすすめされたと伝えたら喜ばれてサービスしてもらえた