西日本海岸線2日目

台風12号の接近のせいなのか知らないけれど、2日目頃から天気が崩れる予報だった。たまたま駅のホームで見つけた立ち食いうどん屋で、思い出したように名物の味噌うどんを食べてから、未だ晴天の名古屋を後にして、雨の降る方へ向かった。

名古屋から2日目に泊まる紀伊勝浦までは約6時間の道のりで、今までの旅行と比較すると、かなり控えめな移動距離と言える。移動距離が短いと体力的に楽になるかと言うと、実際はそうでもなく、伊勢神宮に寄る時間ができてしまったり、朝電車に乗る前に名古屋城を見学する時間ができてしまったりするので、気持ちの方が疲れてしまう。旅行こそ休みの度にしているものの、根は旧態依然として出不精だから、旅行中であっても、本当に行きたいと思う場所以外にはできるだけ行かないで済ませたい。移動距離が短い分、一日を通してのんびり行動することを心がけた。

車窓から見る四日市のコンビナートが、近代的とも未来的とも言い難い独特の雰囲気で魅力的だと思っているうちに、津駅に到着した。良い時間だったので、津ギョーザの食べられるお店で昼食にすることにした。

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8cm位はあったと思う。
津市では小学校の給食でこれが出るらしい。

ご飯のおかずと言う感じではなかったけれど、普通の餃子よりもタネが肉々しくて美味しかった。ご飯と餃子というと、2年生の時に受けていた中国語の先生が、中国では餃子は主食だから、日本に来て餃子をおかずに白ご飯を食べる日本人を見た時には驚いたという話をしていて、面白く思った覚えがある。確かに主食をおかずに主食を食べるのはかなり不思議に思えるけれど、考えてみれば麺類とご飯だって一緒に食べてしまうくらいだから、白ご飯を美味しく食べられれば日本食はそれで良いのかもしれない。

お店が駅から少し離れていたこともあって、丁度良い時間の電車を逃してしまい、気になっていた熊野の鬼ヶ城へ行く時間が無くなった。同時に1時間程の時間ができて、困ったと思ったけれど、すぐ近くに喫茶店があることが分かったので、とりあえずそこで時間をつぶすことにした。

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外装・内装共に良い雰囲気だった。

早く台風に来てほしいと思ってしまうほど、あまりに暑かったので、珍しく*1アイスコーヒーを注文した。ここで飲んだアイスコーヒーは後味に明らかに市販のものには無い美味しさがあって、アイスもいいという気になった。

2時過ぎの電車に乗り、多気駅で紀勢本線に乗り換えてからは紀伊山地の山間と海岸線を走った。夕方ごろには霧雨が降っていて、外を見るのが楽しくなってきた。山間部は晴れよりも小雨が降っているくらいが寂しい感じがして良い。ずっとこんな静かな天気が続けばいいと思い、旅行中の楽しい時間とはこういう部分だと再確認した。
山間を抜けた後の海岸線も地形が面白くて飽きなかった。トンネルが多いのも、同じ車両にいた、しきりに歩き回って外の風景を撮影していた落ち着きのない40代くらいの女性に、良い具合に水を差してくれていてよかった。

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動画しか撮っていなかったので、オヨ...な写真で我慢。

 

紀伊勝浦に到着した時には雨が止んでいたので、結局この日も折り畳み傘を使うことなく民宿まで辿り着き、三畳の独房の様な部屋に荷物を置いてから、近くの居酒屋で夕食を食べた。居酒屋とはいえ、お酒は苦手なのでソフトドリンクと海鮮丼を注文した。入る前は他の飲食店と変わらないと考えていたけれど、すぐ近くにワイワイやっているグループが2、3組いる中、一人食事をするのは中々心にクるものがあった。

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強い心で食べた海鮮丼。
色々乗っていてどうかと思ったけれど、全部美味しかった。

宿に戻り、お風呂に入ろうと思ってバスタオルを探してみたものの、それらしいものが無い。予約した時に確認していなかったのだけれど、格安なだけあってバスタオルは置いていないらしかった。那智大社方面へ向かう国道沿いに、朝10時からやっている日帰り温泉があるとわかったので、熊野古道那智大滝へ行く翌朝の予定の時間を早めてお昼頃に温泉に入ることに決め、この日はそのまま寝た。

*1:冷たいと香りを感じづらくて違いが判らないような気がするし、市販のボトルコーヒーが十分に美味しいこともあって、普段喫茶店ではあまり飲まないでいた