長野

当日の朝、予定していた時刻よりも2時間弱程度早く起床した。わざわざ予定時刻になるまで家にいる事もないと思ったので、乗り換え案内を確認してからそのまま家を出た。再三にわたって行ったイメージトレーニング通りに、最寄り駅の有人改札で「18きっぷでお願いします(へへっ...)」ときっぷを提示する。18きっぷを利用するのは初めてだったので、印を押してもらった瞬間は、まだ最寄り駅なのに気分が盛り上がった。
数10分後に到着した高尾駅始発の中央本線セミクロスシートで、窓側の席を確保して本を読んだり景色を眺めたりしていたら、あっという間に松本に到着した。ここで自分が18きっぷ旅に不向きではないことを確信した。元々じっとしているのは得意で、考え事をしたり、周りの音を聞きながらぼーっとしているだけでも楽しめるから心配はしていなかったとは言え、幸先が良いなぁと感じた。それに加えて、当日3月2日には長野県内で割と大きな規模の停電が発生していて、交通機関にも影響が出ていたんだけど、先述の通り予定よりも早く家を出た事もあってか、行程にはほとんど影響がなかった。

良い気分で駅を出た後、松本城へ向かいながら松本の街を散策していると、小さなお蕎麦屋さんが目に入ったので、昼食にすることにした。このお店はとても有名なお店だったらしく、相席した地元の人は、前日に来た時は人が並んでいて諦めたと言っていた。旅行中であることを話すと、今は東京に勤めているんだとか、学生時代は神奈川の大学に通っていたとかで、楽しく色々な話をしてもらえた。改めて旅行中である事を実感した。
このお店で食べたのはざるそばで、普段食べているものよりも細く、食感と喉越しが良くて、とても美味しかった。

昼食後には松本城の見学をした。特別お城に興味があるわけでもなく、歴史にも疎いので、早々に飽きるんじゃないかと若干危惧していたけど、実際にはそんなことはなかった。庭に植えられている、まんが日本昔ばなしに出てきそうな樹と、荘厳な松本城とそれを囲む濠を見ていたら、タイムスリップしたような気分になった(具体的にどの時代なのかは不勉強なのでわからない)。天気も良かったのでしばらく外を散歩してから城内に入ってみると、風情は一層強まり、設備の1つ1つに目を奪われた。見学中は主に狭間と木組みに着目してみた。

松本城の見学を終えたところで時刻を確認する。予定していた時刻の1時間半前を示していた。2時間弱早く家を出たら、2時間弱時間が余った。凄くわかりやすかった。散策を再開して、他の施設も見学してみたりしたけど、あまり興味はそそられなかった。
その後松本駅に戻り、長野行きの電車に乗った。このあたりから車両が2両編成だったりして、ローカルな趣を楽しみつつ、40分程度で目当ての姨捨駅に到着した。到着する際には日本三大車窓を知らせるアナウンスが入り、窓側に座っていた乗客は振り返って写真を撮っていた。停車後に電車から降りて反対側のホームへ行き、立ちながら1時間景色を眺めた。気が付くと夜景に変わっていて、また違った魅力を感じられた。

長野駅に到着してホテルにチェックインしてから、夕飯を食べる飲食店を探したけど、営業時間を過ぎていたり、あっても地図がめちゃくちゃ適当だったりで辟易したから、結局ラーメンを食べて1日目の終わりとすることにした。ワンオペだった。

2日目には野沢温泉村の外湯に浸かって、溜まってもいない疲れや患ってもいない神経痛を癒したり、気分でバス移動を徒歩に変更したりして楽しんだ。2日間通してスマートフォンのバッテリーがあまり消費されなかったのは良いことだなと思った。