お土産

16日に2つの展覧会に行ってきた。両会場が徒歩圏内にあった上、チェックしていたナポスポットもすぐ近くにあったのでちょうど良かった。今回も良い時間を過ごすことができたと思う。また以前の記事でも話した通りこれは旅行に相当するので、皆さんへのお土産も持ってき太。

フィリップス・コレクション展

世界有数のコレクターであったダンカン・フィリップスが生涯を費やして収集したコレクション(フィリップス・コレクション)の中から75点の作品が展示される。

感想

印象派面白い。前回見たロシア絵画展での作品群では、写実的な中に画家の感じた美しさが強調されていたということは述べたけれど、印象派ではより感覚が強調されている印象。何かを見て美しいと感じた瞬間というのは、認識している映像としては案外それほどシャープなものではなくて、印象派の作品に描かれるように、揺れ動く光によって輪郭がぼやけたものなのかもしれないと思った。実際、それらの作品を見ると今にも動き出しそうな印象を受ける。
後半では印象派以降の作品が展示されていた。その中のキュビズムは美術の教科書などで見たときには意味不明だったけれど、この歳になって実物を鑑賞してみると少し違った印象を受けた。相変わらず難解な印象ではあるものの、現実の描写をやめた明らかに異質なその表現によって何を伝えようとしているのか知りたくなった。特に今回のように作品が(フィリップスが収集した)時系列で展示されていると、変化の不連続さに驚かされる。

それにしても、流石に75点もの作品の展示はかなりのボリュームだった。僕は人物画の大半をまともに鑑賞していなかったので元気だったけれど、順路に沿って全部真面目に鑑賞していたら大変そうだと思った。腹八分目ではないけれど、こういう場所であってもお金を払ったから~だとか、せっかく行ったのだから~のような考えは持たず、素直に自分の好きなものに優先的に集中力を割いて楽しもうと再確認した。

 

気に入った作品(お土産)

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クロード・モネ《ヴァル=サン=ニコラ、ディエップ近傍(朝)》

 

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ピエール・ボナールリヴィエラ

 

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シャイム・スーティン《嵐の後の下校》

 

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エドゥアール・ヴュイヤール《新聞》

 

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アドルフ・モンティセリ《花束》

 

 

INSULA LUX 光の島 アントニ タウレ展覧会

スペインの画家アントニ タウレの日本初の個展。タウレが拠点の一つとしているスペインのフォルメンテーラ島を、写真と絵画を融合させて表現した「光の島」というテーマで描いた作品が展示される。入場料無料!

感想

写真やカンヴァスによる景色の切り取り方には、絵そのものの表現と同じくらいに個性が表れるように思う。この作品群では現実の景色であるフォルメンテーラ島が一貫して幻想の建物の開口部で切り取られる。その暗い建物の中からわずかに見える外の世界を覗くとき、誘われているような気がする一方で、隔絶されているような気もする。またそれらの境界は常に光によって溶かされていて、現実と幻想の世界が入り交ざっていたり、時には現実と幻想が逆転しているようにさえ見える。このように本展の作品は様々な二面性を持っていると感じた。人物がほとんど現れないのもとても気に入った。

さて、気に入った作品のリストが頭の中に出来上がった頃に気付いたのだけれど、物販コーナーが無い。ポストカードを買うのも楽しみにしていたので少し残念だ。そんなことを考えていると、周りの人たちがみんなパシャパシャ写真を撮っていることに気が付いた。どうやら撮影はOKらしい。少しの間躊躇ったけれど、持って帰るものが無いのは寂しいので、結局僕もパシャパシャ写真を撮った。

 

気に入った作品(お土産)

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Antoni Taulé《Cache-cache》

 

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Antoni Taulé《Le Galuchat》

 

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Antoni Taulé《Torre-Gabina》

 

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Antoni Taulé《Mimosas》

 

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Antoni Taulé《Phare du Cap》

 

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Antoni Taulé《Mnémosyne》

 

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Antoni Taulé《Chemin d'étoiles》

 

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Antoni Taulé《Marécage》

 

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Antoni Taulé《In Girum》