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西日本横断4日目

曇りがちだった2、3日目から一転して、羽咋の家を出る4日目は暖かった。この日は羽咋駅08:01発の電車に乗り、七尾線北陸本線湖西線と乗り継いで大阪で一泊する。途中の滋賀か京都に寄ってうろうろするかもしれないが、それは電車の中で考えようと思う。

羽咋駅に着くと、1本前の電車が霧の影響で30分近く遅れていた。乗り換えをする金沢駅まで車で送ってもらおうかと一瞬考えたけれど、これから向かう先に人と会う約束があるわけでもないから、遅れても構わないかと思い直して、そのまま駅で待つことにした。08:01発の電車は定刻通りに到着し、僕はお世話になった祖父母に挨拶を済ませ、大阪へ向け出発した。遅れのせいか通学の学生で混雑していた、向かい側ホームの七尾方面行とは対照的に、金沢行の電車は空いていた。来るときに体験した電源の切り替えをまた見られるかと楽しみにしていたけれど、毎回するわけではないのか、或いは気が付かなかったのか、今回は見られなかった。
金沢駅で30分程度時間があったので、よく写真で見る門を見ようと外へ出てみた。

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大きいね。

09:30発の福井行の電車に乗り、進行方向左側のクロスシートに座った。クロスシートの場合、特別見たい景色がある時以外は大抵左側の席に座る気がする。右利きだから、右腕を自由に動かしやすい左側の座席を無意識に選んでいるのかもしれない。電車が走り出すと、右斜め前のシートに座った50代と思われる男性2人が、互いに10m以上離れて会話をしているのかと思う程の音量で会話を始めた。どうやら食品科学に関する仕事をしているらしく、パイナップルが~、エステルが~、と休む間もなく話が続いた。トンネルに入った時と、車内アナウンスが流れた時には、会話は一時中断されるかと思ったけれど、その音をさらに上回る音量で会話が続行された。余程おしゃべりが楽しいらしい。
車窓からの景色は、左右で大差は無く、左側の方が良い区間もあれば、右側が良い区間もあった。景色が変わる度に視線を左右にきょろきょろ変えるのは、落ち着きがなくみっともないと思ったから、自分の側の窓だけをじっと眺めていると、面白い発見をした。雲などに陽が隠れて窓の外が暗くなると、車内の光が支配的になり、反対側の景色が鏡のようにこちらの窓に映るのだ。これによって、左側の景色を見ているふりをしながら、右側の景色を見られるようになった。それからしばらくは、誰に見られているわけでもないけれど、得意気に焦点を変化させて双方の景色を交互に見て楽しんだ。

敦賀からの北陸本線には、衣掛山を囲うようにして回るループ線がある。ループは右回りで、後から見える琵琶湖は左手に見えるため、座席は進行方向左側が良い。駅を出発するとすぐにループに入り、山の中にもぐるトンネルを出たかと思うと、結構な高さまで来ていた。しばらくすると下の方に先程通ってきた線路が見えて、一周したのが確認できた。
琵琶湖を左手に見ながら、近江今津の手前まで来たところで、湖西線内で起きた人身事故により、電車が近江今津止まりになるとのアナウンスがされた。丁度お昼時だったので、ここで降りてもよかったけれど、20分もすれば次の京都方面行きの電車が来ると言うので、ホームで待っていることにした。電車を待っている間に周りに居た女子学生や保育園児が、関西風の訛りで話しているのに気が付いて、なんだか少し緊張してきた。

次に来た電車は混んでいて、さっきまでの左側のクロスシートは空いておらず、ドア付近の補助席に座った。初めて座るタイプのシートだったので、こういうのも悪くないなと思った。元々乗っていた新快速から各駅停車に乗り換えたので、電車の中でのんびりこれからどうしようか考えて、とりあえず京都で降りることに決めた。少し前から帽子が欲しいと思っていたので、四条まで行って何件かお店を回って、大阪に着くのが夜になるように夕方頃までぶらぶらしようと思う。寺社の類にはあまり興味が無いから行かない。
京都駅に到着し、地下鉄に乗り換えた。四条駅から鴨川の方へ歩き、1件目のお店ですぐに好みの帽子を見つけたので購入した。

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オリーブ色のハンチング。ウンメェ~。

帽子を買ってお店を出た時には時刻は16時前になっていて、だいぶお腹が空いていたので、食事をするお店を探すことにした。人通りの多い大通りを避け、古い建物が並ぶ静かな小路を歩いて食事ができる喫茶店を探していると、TVで某ミュージシャンが紹介していたラーメン屋の暖簾が目に入ってきた。ラーメンはしばらく食べていなかった気がするし、偶然お店の前まで来たのも何かの縁かと思ったので、ここで遅めの昼食にすることにした。

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チャーシュー麺。
卓上トッピングがたくさんあった。

博多ラーメンとのことだけれど、豚骨一辺倒でなく、色々な味がした。美味しかったけれど、味よりも身体の大きな女性店員さんの愛想の悪かったのが印象に残ってしまった。

まだ時間があったので、Google Mapsの助けを借りながら喫茶店探しを再開した。三条大橋(たぶん)を渡った向こう岸の道路を歩きながら下を流れる鴨川を見てみると、評判通りカップルが等間隔に並んでいた。川を見るのは好きだけれど、上の道路を歩く人の目に付きたくなかったから下へは降りなかった。次の橋を渡って駅の方へ戻り、しばらく街を歩くと、良い雰囲気のお店が見つかった。店に入ると、顔の大きなマスターが「イラッチャイ」と言って出てきた。入り口近くの席に座り、窓を隔てて外を歩く人を見ていたら、すごく贅沢な時間を過ごしているような気分になった。飲んだコーヒーはほどよい酸味があり、苦みはほとんどなかった。

夜になって大阪のカプセルホテルにチェックインして、お風呂に入った。サウナも水風呂も露天風呂もあったので、とても満足した。良い気持ちになって、もう夕飯は食べなくてもいい気がしていたけれど、惰性でうどんを食べた。値段が高かったので当たり前に美味しかった。