強風の水曜日

本日より

春休みを始めた。

「始めた」と表現したのは、期末試験が先週の火曜日で全て終わったことで、春休みの始まりが、各学生の最終レポートの提出に依っていたためだ。大した課題ではなかったので、すぐに取り掛かればすぐに終わっただろうが、大した課題ではないのだから、後回しにしてもかまわないという考えの者もいる。大したことのない課題を提出するのに1週間かかっている事実から、明らかにおさかなは後者のタイプである。
春休みを始めたのと殆ど時期を同じくして、アルバイト先から、仕事がなくなったとの知らせが入った。近頃そんな雰囲気はあったから驚かなかったけれど、来月にはまた旅行に行くし、その翌月には定期を更新したりするのにお金が必要なので、何か収入を得る手段を考えなければならない。筋肉があったら迷わずカツアゲをするけれども、ナナフシの様な体躯だからそれは叶わない。とりあえず、春休み中に新しいアルバイト先を見つけることを目標にして、来月の旅行費用は「ふしぎなカード」で払うことにする。

 

強風の水曜日

普段はお昼頃に起きると、もうその日は何もできないような気がして、起きたばかりなのに翌日の事を考えだしてしまう。何もすることが無いから、何もせずにいてもいいけれど、今日は春休み初日で気分が良かったから、散歩に行くことにした。
目的の緑地までは自宅から7km程度あり、お昼に起きたせいで時間もあまりなかったから、仕方なく自転車に乗っていくことにした。今日は天気が良く、空が澄んでいて高く見えた。山々が綺麗に見える方角とは逆の方角へ身体を向け、緑地を目指してペダルを漕ぎ出したが、10分も走らないうちに鼻水が出始めて、気分が悪くなってきた。風もやたら強く、自転車が中々進まない。碌に空気を入れていないせいもあるかもしれないが、うんざりするほどペダルが重くて足が疲れるので、半分辺りまで来たところで、散歩を諦めた。小さい声で「オモイ......オモイ......」とブツブツ呟きながら来た道を引き返し、疲労感だけを土産に帰宅した。次は歩いて行こうと思った。